介護福祉士de行こう

介護職の専門性や技術、あり方を日々の介護を通して考えるブログ

深い洞察力

どうも!!イムです。

昨日は言葉がけについて記事を書かせてもらいましたが患者さんとやり取りを行うコミュニケーションには言葉ってホントに大切だなって思いました。

非言語コミュニケーションのジャスチャーも伝える手段としては有効とありますが、そもそも表現力の乏しい私はジェスチャーが下手すぎることに気づきました。

今日は外国人の患者さんと言葉が通じない、言ってることがほぼ分からない状況で苦労したエピソードを書いてみたいと思います。

この外国人はリハビリのために入院しているのですが日本語は「ありがとう。」と「だいじょうぶ。」しか話せません。後は全て英語なのでこれをやられると、「うんうん」とただ聞くしかありません。コールは押せるのでこの外国人のコールが鳴ると緊張が走ります。この日は夕方に呼ばれて私は部屋に訪室したんですがベッドに座っている外国人はいつもと様子が違います。ベッドに座ってズボンのウエストや裾をごそごそしています。私は「と、と、といれっと?」と聞くと車椅子へ移る仕草が見られたので介助しました。

トイレで用をすますとズボンを再びごそごそし始めました。トイレの出入り口で突然「¢£%#&□△◆■!?」と英語で何か話し車いすを足で止めました。全く分からないのでスタッフルームまで行き助けを求めました。(誰一人英語はほぼ分かりませんが...)何かを一生懸命伝えるのですがただひたすら聞くしかない私たち...

その時、外国人が指さしたものは看護師さんが持っているハサミを指さしました。「まずい...」と一瞬不安がよぎりましたが看護師さんは「これ?ハサミ?ダメですよ。」とジェスチャーしました。するとピースサインを作りズボンのウエストにハサミを入れるジェスチャーをしました。「き、き、切るの?かっと?」と私が言うと「YES」と返事をされました。「むり、のーかっと...あたらしい...にゅう。」と伝えると英語で「¢£%#&□△◆■!¢£%#&□△◆■!?」と切に話しました。

その時、ニュアンスで感じたのは「俺のズボンなんだから、何をどうこうしようがいいじゃないか。」という感じでした。「ぼとむ、かっと、れありー。」と今まで習った単語をフル活用して伝えると「YES」と私の顔を見つめます。「ほんとにいいの?後から何も言わないでよ。」と思いつつジョキ、ジョキ、とウエストと両裾に切れ目を入れました。」どうしよ...と思いつつ周りを見回すと、みんなどこかへ行って私一人でした(涙)切れ目を入れると

 

「Oh~」

     

満足した顔で私へ自室へ戻ると伝え戻っていきました。

 

言葉ってホント大切なんだな...伝わえるって大変なんだなと、しみじみベッドに移る外国人を見守りしながら感じました。

これ、認知症失語症の人たちの世界もこんな感じなのかなと思い、しっかり聞くこと、やり取りできる力をつけることの大切さを感じました。