介護福祉士de行こう

介護職の専門性や技術、あり方を日々の介護を通して考えるブログ

そのひと手間が介護のコツ~食事編~

今日はそのひと手間が介護のコツ~食事編~と言うことで食事の介助方法について私の経験や感じていることについて書いていきたいと思います。

食事の目的は生きるため、健康を維持するために必要な栄養を確保することが大きな目的になると思います。ですが食事はただ栄養が入ればそれでよいのかと言えば当然のことですがそうではありません。食事を通して他者との交流にもなりますし、季節の行事などに合わせ見た目で季節感を感じたり、空腹を満たすことで満足感を得ることもできます。

介助者はこれらの目的を達成できるように美味しく、楽しく、安全に食事ができるように介護していくのですが施設で働いていると3食の食事の前後は介護のゴールデンタイムと言われる。口腔ケア、排泄、更衣とたくさんの介助が一斉に押し寄せる介助者にとって一番忙しい時間でもあります。なので、私たちはいかにこの時間を効率よく患者さんに対応してスムーズにベッドへついてもらうかをつい優先的に考えてしまいます。

また、急がないと周りにもあの人は仕事ができない人とか言われたり、患者さんからも待たせることで怒られたりすることもあり、何か肩身の狭い思いで介護しないといけません。

ですが忙しいので、美味しく、楽しく、安全にはできないのかと言うと何かできることや工夫できることはあると思います。文句言ったって誰も認めてくれないし、何かアクションを起こさなければ何も変えられず終わっていくだけですので...しっかり時間を割いて患者さんへ接することは難しいのが現場ですので食事の前から摂取中のポイントを何点か挙げてみました。

ポイントをおさえてケアに当たることが大切なので、参考になればなぁと思います。

また、番外編として施設ならではの!?介護の教科書にはない独自の視点で私の実践するコツも上げてみたいと思います。

 

食事前のポイント

◆排泄は済ませておく

食事の最中に尿意を催してしまうと、注意が逸れやすくなり食べることへ集中できなくなってしまいます。食事をする前に不快な状況を作らないことが大切です。

 

◆手洗いを済ませる

食事の席にそのまま誘導しているスタッフをたまに見かけますが食べる前に手を清潔にしておくことは感染を広めない、大切な予防策ですでは、清潔でないことを頭に入れて手洗いは必ずして席へつきましょう。

 

◆姿勢を整える

姿勢が悪い状態は食べ物が気管に流れてしまい、むせ込みを起こしてしまいます。足は床にしっかりとつけ、少し前傾姿勢を取り顎が少し弾ける姿勢を保つようにしましょう。飲み込みの状態によっては角度を調整する患者さんもおられるので1人1人の姿勢は医師、看護師、言語聴覚士に調整してもらい、把握しておきましょう。

 

食事摂取中のポイント

◆介助者は椅子に座り、目線の高さを対象者と同じにする

介助者が立ったままだと見下ろしてしまい、威圧感を与えてしまいます。また上から解除すると患者さんの顎が上がってしまうので、混ぜ込んでしまう原因にもなります。目線の高さを揃えることが大切です。

 

◆一口量や口の中に残っていないか注意する

一口量が多いと窒息してしまうことや飲み込めず、いつまでも口の中に食べ物が残ってしまいます。食べるペースや食べ物の柔らかさ、一口の大きさなど観察して提供しましょう。

 

◆食べ物を混ぜない

食事の形や柔らかさの違うものを一緒に食べるのは飲み込みにくくなることや、見た目も悪くなり、食欲が落ちてしまいます。エプロンにこぼれた食べ物をスプーンで介助者が戻すところを見かけますが自分だったら食べたいかを考えて解除に臨むことが大切です。

 

ここまでは食事介助を行うにあたり基本的なポイントを踏まえて書かせていただきました。

ここからは病院で働く介護福祉士として私独自の視点でゴールデンタイムと言われる、忙しい時間にできるだけ、スムーズにかつケアのポイントが押さえられるように工夫していることを書いてみたいと思います。

 

番外編

◇仕度かかる時間を知っておく

顔を洗ってトイレへ行って新聞を見てと一連の朝のルーティンがあるので時間をか けて仕度をする方は患者さんへどれくらい準備に時間がかかって食事の時間までどのくら時間があるのか、おおよそでいいので、かかる時間を思い浮かべると起こす順番が決まってくると思います。ある程度、自立できている人の食堂に出たい時間も知っていると食堂に集まる順番が組みやすいと思います。見境なしに介助量の患者さんを食堂へ並べて、食事を食べる時には居眠りしている人がほとんどなんてことにならないように気を配っています。

 

◇食事方法を事前に把握しておく

当たり前と言えば当たり前なのですが、把握しておくことで自助具の使い方、皿の配置やローテーションなど観察する点を把握して介助に臨んでいるかどうかで介助の質が変わると思います。

 

◇テーブルに座る全体に話しかける

季節料理や変わった料理が出たときにはテーブル全体の患者さんへ話しかけると「私はこれはあんまり好きじゃない、あんたどう?」とか「昔はこんな料理を作ってね」とテーブル内で話が盛り上がることがあります。ちょっとした交流を促す機会にもなるので、ひとりひとりに「美味しい?」と聞いて美味しい、美味しくないとしか返事が返ってこない会話よりよっぽど楽しい食事につながると思います。

 

いかがだったでしょうか?初心に帰って思い出すような基本的なことから事前に患者さんのことを知って、段取りすることの重要性を挙げさせていただきました。

やっぱり、介護は誰でもできると専門職としてそう思われたくないので、できる限りの違いを見せる介護をやっていきたいと思います。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。ではでは、今日も頑張っていきましょう!